飛行機旅行の際に、小さなお子さんの耳が痛くなりやすいのは、多くのお母さんたちの心配事のひとつ。突然、機内でギャン泣きされると困るし、耳抜きが出来ずに耳を痛がる子どもを見ているのは辛いですよね。
もちろん、子どもだけでなく大人も、なかなか耳抜きが出来ずに耳が詰まった状態を経験したことがあるかもしれません。
私の夫はエアラインパイロットとして2万時間以上もフライトを経験しています。人生のうち、多くの耳抜きを経験しているのはパイロットと海に潜るダイバーくらいかと思います。
そこで、パイロットの夫から学んだ「耳抜き」のプロのコツを、今回はご紹介します。これを読めば、次の家族旅行がもっと快適になるはずです!
なぜ飛行機で耳が痛くなるの?
飛行機の離着陸時、特に気圧が急に変化する際に耳が痛くなることがあります。これは、耳の内側にある「中耳」と外側の気圧のバランスが崩れるからです。このバランスを調整するために、耳抜きが必要になりますが、大人よりも子どものほうがこの調整が苦手です。
子どもの耳抜きが必要なサイン
お子さんが以下のような行動を示したら、耳抜きがうまくできていない可能性があります:
- 耳を押さえる、触る
- 泣き出す、ぐずる
- 聴力が一時的に低下しているように見える
これらのサインを見逃さず、早めに対処することが大切です。
パイロット直伝!耳抜きテクニック
パイロットの夫から聞いた耳抜きのテクニックを教えます。
1. 飲み物やおやつを活用
離着陸時に「飲み込む動作」をすると、耳管(じかん)が開きやすくなります。
- 赤ちゃん:授乳する。哺乳瓶やおしゃぶりを使う。
- 幼児:水分を吸うストロー付きのカップやジュースパックを準備
- 小学生以上:ガムや飴を舐める
これらは簡単で効果的な方法です。
ただし、飲み物やジュレ/ゼリーパックなどは手荷物に入れていても、セキュリティエリアを通る場合に持ち込みができないと言われることがあります。容器が100ml以下でしたら大丈夫ですし、ヨーロッパの空港では子どもの飲み物は持ち込み可能な場合があります。
セキュリティエリアを抜けて、免税店や搭乗ゲート付近で飛行機に搭乗する前に、飲み物を購入しておきましょう。
2. あくびをする動作を促す
パイロットたちはあくびを利用して耳抜きをすることが多いです。操縦しながら常に飲み物や食べ物を口にするのは大変ですから。操縦桿を握りながら、口パクで空気を飲むようにしたり、唾を飲み込むようにする動作をしたりします。
耳抜きが出来ないと、ATC管制官とのやりとりやパイロット同士の会話が聞き取れず、コミュニケーションに支障をきたすこともあります。
あくびをする動作は手軽にできる方法なので、子どもに「大きく口を開けてみよう!」と遊び感覚で試させるのもおすすめ。
3. バルサルバ法(耳抜きの基本)
鼻をつまんで軽く息を吹き込む方法です。
- 幼児の場合:親が一緒にやって見せると、子どもも楽しんで真似します。
- 注意点:無理に息を吹き込むのは禁物!
4. 耳のマッサージ
外耳周辺を優しくマッサージすることでリラックスし、耳管が開きやすくなります。
5. 気を紛らわせる工夫
お気に入りの絵本やタブレットで動画を見せるなど、耳の不快感から注意をそらすことも有効です。
耳抜きが出来なかった時
上記の耳抜き対策をしても、耳抜きが出来なかった場合は耳が痛くて辛いでしょう。航空性中耳炎になっている可能性があるので、なるべく早く耳鼻科を受診したほうが良いと思います。
ちなみに、英語で「耳が詰まっている」ことを言う時は、「my ears are blocked」とかpluggedやcloggedといった単語を使います。
耳抜き対策を成功させるポイント
耳抜きを成功させるポイントを教えます。
耳抜きのタイミングを見極める
パイロットは離陸前に必ず「cabin crew, be seated for take off」と言います。航空会社によって言い方は少し異なるかもしれません。日系の航空会社では「当機はまもなく離陸いたします。シートベルトを今一度ご確認ください」というようなアナウンスがあると思います。
もし授乳をするなら、離陸する前から始めます。飴やガムもこの時に口にします。飲み物は、離陸の際の加速でこぼれることがあるので注意しましょう。
離陸の際も、機内アナウンスがあります。耳が痛くなるのは、高度が変化して、気圧が変わるからなので、着陸に向けて高度が下がり始める時も耳抜きのタイミングです。シートベルトを閉める前に、授乳の準備をしたり、おしゃぶりを咥えさせたり、飴やガムなどを準備しましょう。
離着陸時は機体が揺れることもあり、特に子どもが不安を感じやすいので、親も落ち着いて対処できるよう準備しておきましょう。
事前準備をしっかりと
耳抜きの練習を、家で何度かシミュレーションしてみましょう。
フライト前に健康状態を確認することも大切です。
風邪や鼻炎で鼻が詰まっている場合、耳抜きがさらに難しくなるため、医師に相談するのも手です。
体験談:子どもと飛行機に乗った時の成功例
私たちが初めて子連れで飛行機に乗ったのは、子どもが生後3週間の時でした。耳抜きが心配でしたが、夫のアドバイスをもとに対策を準備しました。母乳育児だったので、機内でいつでも授乳できるように、授乳ケープと授乳しやすいような服装をして搭乗しました。
子どもにとって飛行機のエンジン音が心地良かったのか、さすがパイロットのオットの子という感じで、泣かずに快適なフライトを楽しむことができました。
ちなみに、今でも飛行機に乗るときは、飴、お菓子、飲み物を必ず持参しています。
まとめ
飛行機での耳抜きは、準備と工夫で改善可能です。エアラインパイロット家族のテクニックを、ぜひ次の旅行で試してみてください!
この記事が、心配なお母さんたちの助けになれば幸いです!質問や体験談があれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
家族での空の旅が快適で楽しいものになりますように!