パイロットの年収を公開します!

パイロットの年収

パイロットは、一般的に高給取りのイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

「パイロットの奥様って良いですね」と、キラキラした生活や良い暮らしをしてそうに見られがち。華やかなイメージの裏には、独自の給与体系や厳しい労働環境、長年にわたるキャリア形成が存在します。

この記事では、さまざまな情報源から得られたパイロットの年収に関する事実、パイロットの給料の仕組みを紹介します。そして、パイロットの夫のお給料も公開しちゃいます。

目次

パイロットの年収に関する基本情報

パイロットと言っても様々なパイロットがいますし、日本国内外の航空会社によっても年収は異なります。いくつかのリソースから日本のデータを見てみましょう。

政府統計による年収データ

日本のパイロットの平均年収は、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、航空機操縦士の平均年収は以下の通りです。

  • 平均年収: 約1,732万円

この数字は、日本国民の上位2%に入る高額年収です。しかし、この統計には航空会社のパイロットだけでなく、自衛隊や個人所有機のパイロットも含まれているため、エアラインパイロットの実際の年収とは異なる可能性があります。

航空会社別の年収データ

有価証券報告書から、主要航空会社のパイロット年収を見ていきましょう。

日本航空(JAL)

  • パイロット平均年収: 約2,000万円

スターフライヤー

  • パイロット平均年収: 約1,400万円

これらの数字は会社全体の平均値ですが、個人の年収は経験年数や機種、役職によって大きく変わってきます。

海外のパイロットの給料

アメリカの航空会社のパイロットの給与は、レガシーキャリア(主要航空会社)と地域航空会社(リージョナルキャリア)、機長と副操縦士、経験年数によってかなり異なります。

中国も大手の航空会社のキャプテンはNET3000万円前後ですし、中東の航空会社は2000万円前後で、福利厚生の手厚い手当も付きます。

ただ、為替レートの変動や各国の生活費の違いも考慮する必要があります。

日本のパイロットの平均年収はアメリカのレガシーキャリアのパイロットと比較しても高水準と思います。

Major Airline Pilot Salary First Officer and Captain Pay in 2024

First Officer
(Year 1)
Captain
(Year 6)
Captain
(Year 12)
Salary for American Airlines Pilots$104,506$286,814$300,091
Salary for Delta Air Lines Pilots$104,506$298,759$312,603
Salary for United Airlines Pilots$111,445$315,583$330,073
ATP

パイロットの年収を決定する要因

役職と経験年数

パイロットの年収は役職や経験年数によって大きく変動します。セカンドオフィサー、副操縦士、機長で異なります。年齢給ではなくて、経験年数というかSeniorityセニョリティ(年功序列?)で、その会社に入って機長になって経験年数が長ければ給料も上がっていきます。他社で経験10年で年齢が上でも、新しい会社に移って機長1年目だと一番下の地位とお給料も下がってしまうこともあります。

副操縦士の年収

  • 年収範囲: 800万円 ~ 1,500万円

機長の年収

  • 年収範囲: 1,300万円 ~ 2,300万円

機長になると年収は大幅にアップする傾向にあります。同じ役職でも勤続年数や飛行時間によって年収は変動します。

機種と路線

乗務する機種や担当する路線によっても年収が異なります。

  • 大型機 vs 小型機: 大型機の操縦士の方が、小型機の操縦士よりも年収が高いです。
    単純に、大型機は長距離路線を飛び、飛行時間が長いと時間給がもらえるからです。
  • 国際線 vs 国内線:
    国際線のパイロットは、国内線のパイロットよりも手当が多く、年収が高くなることがあります。
  • レガシーキャリア VS リージョナル:
    レガシーキャリアのほうがお給料が良いです。リージョナルは初任給が安いと言われています。
  • メジャー VS LCC:
    働きようによってはどちらも同じくらいのお給料になることも。
  • カーゴ VS プライベートジェット:
    カーゴ便の運ぶ物によって手当がつく場合があるそうです。またプライベートジェットのお客様からの手当が良かったりもするそうです。

パイロットの給料:その仕組みと特徴

パイロットの給与は一般的なサラリーマンと異なる部分が多くあります。大きく分けて以下の3つで構成されています。その仕組みを詳しく見ていきましょう。

基本給

パイロットのランク(副操縦士、機長など)や勤続年数に応じて固定される月給部分。会社によっては最低保証時間を含んでいる場合があります。フライトが多い月や少ない月で給料のばらつきがあると困りますからね。

  • 副操縦士の平均基本給は約30万円~50万円(国内航空会社の場合)。
  • 機長になると基本給は約60万円~100万円以上に。

Per diem (パーディアム) 飛行時間給

飛行した時間に応じて支払われる追加手当です。海外ではPer Diemと言います。1時間あたりの金額は航空会社によって異なり、平均して1,000~5,000円ほど。

たとえば、時間給が10USDで、今月の飛行時間が80時間とすると。。。
10✖️80=800USDが月給に加算されます。

月のフライト時間が多ければ多いほどお給料も良いですが、その分、忙しくなりますし、疲労が増します。
逆に、飛行時間が少ないと給与が大幅に減少します。

ピロコ

コロナ禍ではフライトがゼロ時間で、お給料が減りました。

福利厚生とその他の手当

パイロットの給与には、福利厚生やその他の手当も含まれます。

  • 住宅手当:家賃の負担や、会社支給の住居
  • 交通費:通勤のためのタクシー
  • 教育手当:子どもの学費を会社が負担してくれます。中東の航空会社に多いです。
  • 宿泊手当: 海外や地方への宿泊が必要な場合に支給される手当です。プライベートジェットの会社は手当があるようです。不景気だと宿泊費は削られる傾向があります。
  • 制服手当: 制服のクリーニングにかかる費用をカバーする手当です。夫の会社では洗濯してくれないので、制服のクリーニングはホームクリーニングです。
  • 健康保険: パイロットは健康保険や生命保険が充実していることが多いです。夫の会社は家族も同じ保険に加入できますが、家族の分は自己負担という会社もあります。

エアラインパイロットの夫の給料明細

旦那さんの給料明細、見たことある人いるでしょうか?
現在はデジタル化が進んで、紙の明細を見ることは少ないですよね。私は何かの申請の時に年収を証明するものの提示を求められて、夫に確認したら見せてくれました。

お給料明細は部外秘ですので、本来は公開はできません。そして、原本は英語なので、アバウトですが夫の明細を少し編集して公開しますね。

内訳金額(USD)
基本給10,100
Bond/トレーニングコスト−3,000
住宅手当1,000
Per Diem手当1,152
合計9,252 (NET)

この時は、機種移行していた時で、Bond /トレーニングコストが給料から天引きされていました。それでも月給9,252USD(日本円で約142万円)ありました。単純に✖️12ヶ月すると1,704万円です。

機長経験は20年以上ありますが航空会社を変えていますし、トレーニングコストが天引きされているので、他社と比べると年収は少ないかもしれません。ただ、労働条件や福利厚生が悪くないし、生活環境も良いので今の会社に落ち着いています。

パイロットのパートナーとして知っておくべきこと

パイロットは高収入とはいえ、身体が資本。そしてコロナ禍のように飛行機が飛ばなくなったら収入も減ります。夫の収入だけに頼らず、妻も収入源を持つことは大事です。夫の給料全てが妻と共有されるとは限りませんからね。

また、パイロットの給与や労働環境、キャリア形成を理解することは、パートナーとしての支えになります。以下のポイントを意識してみましょう。

将来設計を共有:キャリアの進展に合わせて、家族の引越しや生活環境の変化が必要になることも。

収入の安定性:長期的には高収入が期待できるものの、副操縦士時代の収入や機種変更時のトレーニング期間中は家計の計画が重要。

精神的サポート:仕事上のプレッシャーが大きい分、家庭内での穏やかな環境作りが大切。

まとめ

パイロットの仕事は高収入である一方、労働環境は厳しく、キャリア形成にも時間と努力が必要です。

家族として支えるためには、これらのリアルを理解し、柔軟に対応する姿勢が求められます。

この記事が、パイロットをパートナーに持つ方や航空業界に興味のある方の参考になれば幸いです。

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